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2018-04-04

Jasmine Editorials #12 第二沈黙博物館 珍品秘宝特集

本物の春が到来! 

この号は第二沈黙博物館の秘宝の数々、
じゃなかった、くだらないコレクション特集です!
自宅書斎編です。

It’s Underconstruction!
こちらは茉莉花社・塩澤幸登のブログです。

Jasmine Editorials #10
★沈黙図書館通信★
2018年04月03日号

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表紙&扉

吉本隆明「少年期」

琵琶湖&湖西・比良山地の遠望(京都・近藤特派員撮影)

『少年期』は吉本隆明が書いた詩のなかでは、わたしが一番好きな作品。昭和30年の『荒地詩集1955』に発表された。少年時代の独特の熱狂が、抑制を効かせた言葉の坩堝のなかで、溶解しているような高熱を持った作品である。

母親の財布から小銭をくすね、友だちと殴り合いのケンカをし、好きな女のコを理由もなくいじめ、父親に怒られて殴られた。教室で騒いで先生に立たされた。なかなかおねしょのクセが直らず、遅刻と忘れ物の常習犯だった。メンコが下手なくせに好きだった。いつも汚れた手をしていた。勉強はあまりせず、それでいて、テストでは100点をとった。要するに始末に負えない子供だった。これはわたしのことである。
不良少年の日々、そういう白熱した、余計なことは一切考えずに、毎日、目の前のことで夢中に生きられた少年時代。切なく懐かしい。心根をあの時代に戻せたらと思うが、現実にもどろうと思ったら発狂して前後の見境が着かなくなり。無限に夢の世界で生きる、これしか、方法はない。それでもいいから少年時代に帰りたいと思う。

目次

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[今週のグルメ・ラーメン ガイド]
池袋 『博多天神』

池袋東口にある博多豚骨ラーメンのお店。替え玉一回ありで五百円と、ラーメンのなかでは一番安い。それでいてうまい。
豚骨ラーメンを初めて食べたのは、1970年だと思うが、仕事で鹿児島に出張し、天文館の『こむらさき』に連れて行ってもらって。これは美味しかった。先日、鹿児島に出張したとき、よってみた。はっきり覚えていないが、値段が高くて驚いた。ラーメンが1000円くらいした。

これが店内。

近所に別の博多ラーメンのお店とかあるのだが、そこは真似して出店した店。人の真似をするのもされるのもイヤなので、豚骨ラーメンを食べたいときには、この店に行くようにしている。店は清潔で、そばは美味しく、昔、店の仕切りはオバサン(おばーさん?)がやっていたのだが、いまはミャンマー(ネパール?)から来た、色っぽい娘が仕切っている。

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[今週の特集]=大特集 第二沈黙博物館  くだらない秘蔵品
自宅書斎 編
なんの価値も意味もない、だけど情が移っていて、なかなか棄てられない、長く生きていると、そういうモノがかなりの数たまってしまう。ガラクタといっていい、くだらない、バカバカしいものである。それらはしかし、どれも人間の生きたあかしである。これを集めて、その由来を説明し、無意味のなかにあるなんらかの意味を追求し、博物館の有力な展示品としたい。

★甲斐智恵美歌手デビュー宣材カード
★使用済みクオカード
左は甲斐智枝美が1980年にホリプロからデビューしたときにビクターレコードが作ったカード大の宣材。可愛い。ポスト山口百恵の戦略タレントだった。アイドルとしてはデビューに失敗、その後女優に転身。その後結婚、引退。2006年に自室で首を吊って自殺しているのが見つかった。なにかにまざっていて、先日見つけたモノなのだが、棄てるのも可愛そうな気がして大事に保存している。
また、右の使用済みのクオカードは、昔、恋人だった女性のダンナの葬式に行ったときに香典返しにもらったもの。ある日、彼女から「今朝、彼が死んだの」という連絡があったのだ。彼女は二股をかけ、わたしを選ばず彼と結婚したが、ダンナは売れない歌手で、彼女を散々苦労させて、無名のまま死んでいった。クオカードの額面は五百円だったと思う。とっくの昔に使いきってしまったが、失われた愛の名残りというか、これも棄てられずにそのままとってある。

★城北公園で拾ったドングリ、木の実
★道に落ちていて拾ったもの

歩いていて、何かを見つけると拾うクセがある。
左は三、四年前、城北公園を散歩していて、拾ったドングリと椎の実。たくさん拾ったのだが、これだけ残してあとは棄てた。意味なく小皿に盛って、本箱の隅に保存している。

右は道を歩いていて拾ったもの。何か意味のあるモノを見つけるとそのままにしておけない。動物の形をデザインしたものについつい反応してしまう。丸いものにも弱い。自分でもよく分からないが、何か価値があるような気がするのである。そういうものをかき集めたら、手短なところだけでこれだけあった。

★揚子江の上流の虎跋峡近辺で採集した岩石標本と植物の種

いまからもう25年くらい前だが、中国旅行というか中国奥地の探検に夢中になったことがあり、雲南州の大理から麗江、揚子江の上流に何度も出かけた。そのときに採集した岩石の標本と植物の種子。持ち帰って研究したわけでもなく、まったくの無用の長物なのだが、棄てられずに書棚に保存している。本当は大人になったら博物学者になりたかった。その思いの名残り。

★孫が赤ちゃんの時に使っていたオモチャの携帯電話
★40年くらい前に買った醋酸エチルの瓶
★10年くらい前に古道具屋で100円で買ったドクロのお面

写真左の赤い携帯電話はオモチャ。孫が忘れておいていったものを、返すのを忘れていた。いまさら捨てられず、今や中学生になった彼女は「そんなモノ、捨てて」と言うが捨てられない。下の黒い携帯は、二十数年前、わたしが初めて持った携帯電話。これも、いろんな人と話したもので、そのことを考えると、なんだか捨ててはいけないような気がして、保存している。
写真真ん中のガラスの瓶は、酢酸エチルが入っていた。酢酸エチルというのは堅くなってしまった蝶の採集品を軟化させ、展翅するための薬品。40年くらい前に、渋谷、宮益坂上がるの志賀昆虫で買った。あまり使っていないし、密封しているのだが、四十年間のあいだにここまで蒸発した。蝶の採集もしばらくやっていない。どこかに昆虫採集に行きたい。
写真左のドクロのお面は、今から10年くらい前、孫と散歩していて、古道具屋さんに立ちよったときに見つけたもの。孫の珠希が怖がって面白がったので、買った。100円だった。お面はほかにも何種類かあり、どれも無用の長物だが、書斎に不気味なノリで飾ってある。映画『紅孔雀』のされこうべ党・白鳥党の物語のなかのドクロのお面を思い出す。

★アボリジニの打楽器(クラップスティック)、ビルマ
★南アフリカのラッパ、ブブゼラ
★アジアの猫、各種

写真左のアボリジニの打楽器ばなんと30年近く前のことだが、オーストラリアに取材旅行に行ったときに、お土産に買ったもの。この他にブーメランやコアラのぬいぐるみも買った。ブーメランは空を飛ぶし、コアラは女房が作っている動物園に所属しているのだが、この棒だけは、わたしに音楽のたしなみがないこともあり、全くの無用の長物なのだが、アボリジニの独特のデザインがそれなりに可愛く捨てられない。
真ん中の写真は南アフリカのワールド・カップで大騒ぎしたときのラッパ。わたしは南アにサッカーを見に行ったわけではないが、ある出版社に頼まれて、このときの日本代表の戦いを描いた『南ア戦記』という本を書き下ろした。そのとき、話に出て来るブブゼラというものがどんな音のするものか、試しにアマゾンで買った。捨てるのもどうかと思い、部屋の隅っこに無用の長物状態で置いてある。
写真左はアジアの猫。下段の黄色い猫はちゃんとしていて、女房が作っている動物園(動物アイテムコレクション)の所属猫だが、真ん中のでかいのはバリ島の猫で、何度も本箱から落っこちて耳とか欠けて、ボロボロになってしまった。左右の首から上の猫はミャンマーの奥地で買った。首だけで気持ち悪い。

★ベトナムの漆コーティングした、ただの石
★ギリシャの大理石でできた玉子

これも外国取材で買ったお土産アイテム。左は漆でコーティングした石ころ、ベトナムのホーチミン、ドンコイの漆器具専門店で見つけて、無意味なところが面白いので買った。右はギリシャに行ったときに買ったもの。古代ギリシャの人たちは大理石を使って、芸術的な創造物をいろいろ作った。現代のギリシャ人はその大理石を使ってお土産の玉子作って売っている。
ギリシャに行ったのは計算すると、いまからもう37年前。西城秀樹といっしょにヨーロッパ旅行した。そういえば、西城秀樹は元気にしているだろうか。

★郵便局でもらった郵便ボスト型貯金箱各種

郵便局で年賀状を買うと、この貯金箱がもらえる。わたしはいろいろ郵便物を出しに行ったりして、局の女の子たちと仲良しなのだが、本当は年賀ハガキ百枚で一個というのが彼女たちのノルマらしい。彼女たちが小竹のスーパーマーケットの前に出店して年賀状を売っているのを見つけて、仲良しなので世間話した。そのあとでハガキを百枚買ったら、郵便ボスト大小のサイズで七色、全部もらった。左端のはハンコ入れ。もの自体が可愛いので、一列に並べて飾っているのだが、そもそもは貯金箱のはずなのに、全然、その役には立っていない。

★ただの瓶のコレクション

空きビンというのを捨てられない。もったいないような気がして、なんか役に立つのではないかと、思う。アオハタのジャムの瓶がこんなにたくさんたまってしまった。小さいのは鮭ほぐしが入っていた瓶。これも捨てられずとってある。こちらにはバリ島で買った胡椒の実が入っている。ボトルの瓶も形がいいとなかなか捨てられない。なんかに使えるような気がしてとってある、無意味なコレクション。

ここからは四大無意味コレクション。ベスト4である。

★金属製のヘラクレスオオカブト&ただのカブトムシ

第4位。東急ハンズで買った、鉄でできたヘラクレスオオカブトムシ。3000円くらいだった。可愛いけど、なんの意味もないかも。そばにあるのは本物のカブトムシ。昔、スタイリストがどこかで撮影用に買ってきたものをもらって、それがいまも立派なかたちを保っている。こちらもいまやなんの役にも立たないが、捨てられずにとってある。

★メイド・イン・チャイナの巨大ダイヤモンド

第3位。これももう二十数年前になるが、中国旅行に熱中していたころ、たしか上海の土産物屋さんで見つけて、その巨大なニセモノッぷりが気に入って、買った。これが本物だったらいいのにナアとしみじみ思う。人に見せびらかしても馬鹿にされるだけだろうが、本物だったらいくら位するんだろう。隣の小さいボツは100円玉。本物がほしいね。

★左手首を骨折したときに医者が作ってくれたギブス

第2位。一昨年の夏、自転車で転倒して左手首を骨折した。医者に診せたら、絶対安静といわれ、骨がくっつくのを待つために石膏でギブスを作って、それを包帯でぐるぐる巻きにした状態でひと月半くらい、不自由に暮らした。こんなふうにケガをして、身体の自由を奪われたのは初めての経験だった。それで、完全に治って、ギブスは用なしになったが、これが自分の分身のような気がして、いろんなところに連れ歩いて、苦労させたし、うす汚く汚れているのだが、情が移って捨てられない。これも無意味だが、わたしにとってはステキな無意味だ。

★愛用のピストル2挺

第一位は2挺のピストル。リボルバーの方は私立探偵として身を守るときに使う護身用。コルト45のほうは兵士として敵と戦うとき、最後の勝利を勝ち取るために戦場に行くとき携帯している。早撃ちの練習はまだしてない。本物のピストルでの射撃はグアム島で何度もやっているのだが、腕に自信はない。オートマチックのコルトもスミス&ウェッソンのリボルバーもなかなかの重量感、値段は池袋の某商店で二万円くらいで購入。金額の大きい原稿料とかもらったときとかに記念に買った。このあと、スパイをやる時用にワルサーP38を、銀行強盗とかやるときにはやっぱりコルト・ピースメーカーがほしい。そのほか、ルガーも。ドイツの拳銃は美しい。今のところのわたしの悩みは兵士としてもお呼びでなく戦場に戦争に行く予定はない。私立探偵の仕事もない。スパイにもなれず、銀行強盗をする度胸もない。この2挺の拳銃は持ち腐れである。モデルガンで良かった。

以上がくだらないものコレクション、自宅書斎 編でした。

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[あとがき]
菊地先生の『人形メディア学講義』の版面ができた!

四六判・上製本・360頁。読み応えのある、いい本になった。
詳細な情報はおって書くようにします。

今日はここまで。Fin.

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